

『ごあいさつ』
同窓会長 重松 靖久
同窓生の皆様にはいかがお過ごしでしょうか。皆様が実社会でご活躍されていることを聞く度に大変誇りに思っています。
さて、京都で1,200年以上続く西陣織は、その技術力が高く評価されていますが、ヨーロッパの高級ブランドであるルイ・ヴィトン、グッチ、シャネル、クリスチャン・ディオールなど世界の高級ブランドが製品開発のパートナーとして頼る日本伝統工芸に将来危機が訪れるだろうと言っています。
それは職人などの担い手が、約25年後には現在の職人数から40%減り、地域によっては消滅する可能性もあると言われています。
西陣織や備前焼などの伝統的工芸品の生産額は2020年度に870億円と40年前の1980年代のピーク時と比べて80%以上減少し、日本の人口も2050年頃には1億人を切ると予測されています。
2020年度の伝統工芸の職人は3,730人と10年間で16%減少し、このペースが続くと職人の数は約25年後には40%減の2,000人程度まで減少すると推計されています。
知人の税理士がこういう事を言っていました。
最近は和服や着物を着る人が減ってきており、それを制作する職人も減少している。このままでは、日本の着物文化が無くなるのではないかと。
そのため、
高級品の着物等を今のうちに仕入ようとする経営者もいるそうです。ただし、ひとつ間違えると棚卸商品(在庫品)が増加し、資金繰りに影響し、借入金の返済が出来なくなる心配もあります。
また、ある会社の社長が本社を移転することになり、移転先の経理事務員が退職したので、記帳ができないと顧問税理士を断られたそうです。
最近、税理士事務所も専門に簿記や税法を勉強した職員がいなくなり運営が難しくなっています。
今、必要なのは全ての職種で専門職の養成が急務で、そうしないと日本の経済が立ち直れなくなるとのことでした。
同窓生の皆様ももう一度専門職について考え、これだけは人に負けないという知識・技術を身に付けてください。

『同窓生の皆様へ』
校長 菅 信博
今年の広島はプロスポーツが元気です。
バスケットボールのドラゴンフライズはまさかの下克上優勝、サッカーでは待ちに待ったサッカー専用グランドのエディオンピースウイングが完成、男女ともサンフレッチェが頑張っています。
広島カープは、原稿執筆時(6月17日)にはこれまで鬼門と言われていたセパ交流戦に勝ち越し、セリーグの首位です。秋には良いニュースを聞きたいものです。
ところでドラゴンフライズについて、驚かされたことがあります。それは来年度への体制作りです。優勝直後にはすでに2選手の退団を発表し、2週間後には3年間リードしてきたヘッドコーチの交代です。
退団する船生選手とマーフィー選手は試合でも活躍し、有力な戦力でした。ミリングヘッドコーチは「1,2,3勝ちじゃけえ」の掛け声とともに3年でチームを最下位から優勝まで引き上げました。
今、勝てるメンバーを変える必要はないのではないかと思いましたが、すでに早くから勝ち続けるために次の体制作りを進めていたとか。
ヘッドコーチの後任は既に退団を決めていた朝山氏が就任するとのことです。
新井カープは風通しがよく雰囲気が良いという解説者が多く、若い選手がのびのびとプレーをしています。いずれも「次」を見据えた決断であり、維持は停滞、停滞は後退という発想なのでしょう。
振り返って、私たち専門学校は社会に求められる人材育成に努めていますが、現在にも、将来にも通用する人材を育てなくてはならないと改めて考えさせられます。現在の在学生はいわゆるZ世代です。
デジタルネイティブでコスパ・タイパを重視するなどは良いのですが、打たれ弱い、長続きしないなどもあります。
これまでの教育方法が通用しないこともありますが、私たちも環境の変化に対応しながら日々新たな毎日を送っております。
さて、本年3月に76名が卒業し同窓会に入会いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。
彼らは先輩方同様に本校で学んだ知識と習得した技術をもとに頑張ってくれるものと期待しております。
この76名を加えますと昭和41年の広島経理研究所設立以来の卒業生が15,031名、広島電子専門学校の卒業生が7,403名で合計22,434名になります。
この間に税理士国家試験には474名が合格されています。
地元経済界はもとより全国で活躍され高い評価を受けておられる皆様に敬意を表しつつ、皆様のさらなる活躍を祈念して挨拶と致します。